現場における作業や加工において、開始時や中間の品質確認記録など
組織が決めたルールに沿った記録を見せていただきます。その際、記録する
「タイミング」に様々な状況があり、その状況に対する組織からの回答も様々
です。
例えば、既に作業も終盤にかかっている状況で開始時の品質確認記録が記され
ていない、或いは次の作業に取り掛かっていても、前の中間や最後の品質確認
の記録が作成されていない、このような場合、記録の多くは幾つかの項目にレ点
を入れるチェック式です。
さて、このような状況であっても一概に正しくないとは言い切れません。作業
担当者や監督者から「時間のある時にチェックします」「午前中の分をまとめて
チェックします」「終業時にチェックします」「チェックするタイミングは作業者
に任せています」などの説明があったりもします。
正直「苦し紛れの説明では?」と感じることも多いのですが、そもそも記録する
タイミングを意識していない組織も少なくありません。
規格では、タイミングに対する要求はありません(もちろん、組織がタイミングを
決めていて、それに反していれば不適合の候補となり得ます)。ですが、審査で
指摘されるか否かは別にしても、不良品の発生防止、工程戻りの防止、チェックの
形骸化の防止、作業者の意識維持など、QMSにとっては見過ごせない要素です。
もし、品質確認のタイミングについてのルールがなく、あまり注目してこなかった
のであれば、是非実態を把握してみてはいかがでしょうか。内部監査の計画において
「焦点」として行うのもよいでしょう。「記録があるか否か」の適合性の視点から、
有効性への視点の転換です。