ISO9001/14001共に2015年版では、組織の「外部や内部の課題(4.1)」
や利害関係者の「ニーズ及び期待(4.2)」を明確にする、或いは決定することが
求められています。
これらは、要求事項としては、新しいのですが、実際の企業にとっては当然の
ように考えていることと言えます。お客さんや社内のことを一切考えずに事業を
運営することはないからです。ただし「明確」に「決定」されているかについては、
いかがでしょうか。
果たして、社長の頭の中にあることと、幹部社員の頭の中にあること、社員の頭の
中にあることがどの程度一致しているでしょうか。
4.1、4.2に関して「文書化」の要求はありません。ですから、例えば「私(社長)
の頭の中で明確」と言われれば(審査における判定はここでは論じませんが)、
個人的には「とても活用甲斐のある要求事項なんですが」と思ってしまいます。
一年に一度、或いは半年に一度、或いは毎月など実情に合ったタイミングで、組織
の状況を「文字」で明確にして、共有することをお勧めします。規格が「要求して
いる・要求していない」だけを判断基準にしてしまうと、少し勿体ないと思います。