営業部の人員が3名、或いは2名、或いは1名といった会社は少なからずあると
思います。特に、建設業や社外で提供されるサービス業では、専務や常務などの
営業部長と電話受付1人といったケースも珍しくありません。
その場合、大型案件は営業部長が追いかけますが、小規模案件や継続案件などの
営業活動は現場に出ている実動社員が施工やサービス提供を兼ねながら行ってい
ます。
ですが、品質目標は営業「部」で立案する為、現場に出ている実動社員の活動が
対象から外れてしまいます。結果、営業部長一人の活動計画になるため、立場的
なこともあり表面的で具体性に欠ける内容になりがちです。
このような時にこそ、プロセスを意識した目標と活動計画の立案が有効ではない
でしょうか。営業活動というプロセスに従事している(工事部などの)実動社員
も巻き込んだ「営業部」の品質目標にするのです。
例えば、既存顧客の案件掘り起しのためのパフレットを作成・利用して情報収集
を行う活動など、活動の幅が広がり、具体性のある活動立案にもつながります。
営業部に限らず、審査対応を含む対外的な面から幾つかの「部」を設けながら、
社員の多くが兼務となっており「部」の対象者が曖昧になっているケースもある
と思います。
プロセスアプローチという言葉に対しては、「難しい解釈論が多くて、よくわか
らない」という趣旨のことをよく聞きます。ですが、どのような解釈であっても
企業のISO運営にとってメリットを産み出すことが必要であり、上述の考え方も
そのようなプロセスアプローチのひとつです。