前回のつぶやきで「プロセスアプローチ」という言葉を使いましたが、ISOを解り
難くしている要素の一つといえるでしょう。
審査員の間でも、この言葉をISO運営のための「思想」や「理念」のように複雑に
解釈し理解しようとする傾向があります。そのため、様々な解釈が審査の場面で
企業に語られることになり、結果として混乱を起こしています。
この混乱から企業が脱するためには、ある解釈を聞いたときに「その解釈が、ど
こで活かせて、どんなメリットがあるか」で選別することだと考えます。具体的
なイメージができない場合は、自社(自分)には合わないとバッサリ(笑)切り
捨てて他の解釈に耳を傾けた方がよいと思います。
バッサリ切る方法をお伝えした上で、覚悟して私の解釈をつぶやきます。
私は、プロセスアプローチを「仕事の流れを考えること」といつもお伝えしてい
ます。一番利用しやすい場面が内部監査です。例えば、営業部が作成した顧客要
求をまとめた書類が内部監査員の前にあるとします。記入欄が全て埋められてお
り、印鑑漏れもないので問題なし。
となりますが、ここから「仕事の流れ」を考えてみます。その書類作成の「前」
にはお客さんがいます。そこで、まずは記載された内容をお客さんの視点で見て
みます=自分(お客さん)が望んだことが表現できているか。もしかすると、
曖昧であったり言葉足らずがあるかも知れません。
次に、書類作成の「後」を考えてみます。その書類を基に物を作る人の視点=物
作りに必要な情報になっているか。もしかすると、もう少し詳しい情報が必要か
も知れません。
このように、目の前にある資料作成という仕事を「単独」に考えずに「流れ」で
考えると、より多くの改善につながる発見が期待できます。
前回、品質目標を達成するための対象を「部」の人員に限定しないことをお伝え
したことも、目標を達成するために仕事・作業・活動の「流れ」の中にいる人を
考えると、必ずしも一つの「部」に属しているとは限らない、と言い換えること
ができます。
少し長くなりましたが、皆様にとって「しっくり」くる解釈を探してみてください。