QMSにおける不適合に対する是正処置について、つぶやきます。
審査にて、発生した不適合の一覧を見ながら「これらの是正処置はどのように」
とお聞きすると「全て是正処置不要と判断しました」と説明されることがあります。
或いは「今回は、○○と○○だけ是正処置必要と判断しました」等と。
よほど些細な不適合だったのだろうかと思い、詳細をお聞きして行くと、実際には
手順書の改訂や仕様書の修正などが行われているのです。「実際には、是正処置を
なさっているのですね」とお聞きすると「いえ、当社のQMSでは是正処置として
扱いませんので、是正処置報告書を発行していません」との説明だったりします。
規格の意図を簡単に言うと「同じことを繰り返さないこと」ですから、社内で是正
処置と呼ばなくても是正処置報告書がなくても(なんらかの記録があれば)規格に
反しているとは言えません。
ですが、そのような組織では往々にして「是正処置」と呼ばれない対応については
管理があまくなっていることが多いのです。例えば、再発防止(是正処置)が表面
的であったり効果の確認も曖昧だったり等です。
おそらくは社内に「是正処置扱いにすると、書類等大変だぞ。審査でも突っ込まれ
るし」という空気があるのではないでしょうか。審査機関としても反省するところ
ですが、やはり改善すべき状況と言えます。
とは言え、「面倒でも厄介でも、きちんと是正処置にすべきことはする」等の精神
論では解決に向かい難いと感じます。なぜなら、全社的な認識であることが多いから
です。
実効性のある改善策の一つは、処理の仕組み(記録の記載、承認ルート・押印等)
の簡素・簡略化の検討でないかと思います。
規格でも「程度に見合った是正処置」とあります。大きな事象にも、小さな事象に
も対応できる仕組みは「小さな事象向き」にすることが効率的だと思っています。
大きな事象の場合には、必然的に追加等で補填するからです。