審査では、規格要求事項6.2「品質目標」/「環境目標」の確認に合わせて、
7.3「認識」を確認することがあります。
既に2つの要求事項の関連性が頭に浮かんだ方も多いと思いますが、審査の場面
では問題が見つかることがよくあります。
新規格では目標を達成するための具体的な活動の計画が求められており、どの
企業も対応しています。そこで、計画内容の説明を受けると「耳触りのよい表現」
が並んでいるのですが、「実際に何をどうするのか」が見えてこないことがあります。
例えば、「○○部と○○部の連携を強化する」「顧客からの情報を正確に理解する」
「工程管理を密強化する」等です。
そこで「認識」の視点で、「各担当者は、自分が目標達成のためどのように貢献
すべきかを理解(認識)しているでしょうか」とお聞きします。実行性のある計画
であるか、単なる掛け声やスローガンだけの計画になっていないかを、確認する
ためです。その結果、計画に問題が見つかることがあります。
昔、悪いISO運用と審査の代表例として「品質目標を暗記する」が上がっていました。
これは「暗記する」のが悪いのであって「理解する」必要はあるのです。
しかしながら、審査員でさえも「今さら、審査で目標のことを聞いても・・・」と、
現場審査で目標について積極的に聞くことを避ける雰囲気があるのも事実です。
経営・事業・実務との融合を目指すQMSやEMSにおいては、6.2目標と7.3認識を
強く関連付けて理解するこが重要です。