マネジメントシステムにおけるPDCAと言えば、まず思い付くのは「目標」に
おけるPDCAでしょう。では、次はなんでしょうか。例えば、「内部監査」の
監査計画からはじめるPDCA、或いは「是正処置」における是正計画から始まる
PDCAなどでしょうか。
何れにしても、比較的「大きな」イベントや活動に対するPDCAのみを考えて
いるケースが多い、言い換えると日常のさまざまな活動に対してはPDCAを意識
していないことが多いと感じています。
例えば、製造着手前に「製造検討会」を実施している組織に、「検討会がどの程度
役立っていますか?」と聞いてみることがあります。
多くの場合「もちろん役立っている」とお答えになりますので、その「根拠」を
お聞きしてみます。責めるのが目的ではありませんので深掘りはしませんが、明確
な根拠が見つからないことが少なからずあります。そこで、「機会があれば、検討
会がどの程度役立っているのかを検証してみるのも有効ではないでしょうか」と
お伝えします。
検討会の開催タイミング、議題、参加者等の「計画P」通りに「実施D」して、
検討会での決議事項が、実際に製造トラブル回避や品質向上に役立ったか、或いは
検討の及ばなかった内容でのトラブルはなかったか等を「検証C」し、今後の
検討会の計画に「活かすA」ためのPDCAサイクルです。
当然ながら「役立つ」前提で考えられた活動ばかりですから「天邪鬼(あまの
じゃく)」的な見方をしましょうということではなく、時には「効果」に目を向け
るPDCAを意識しないと「改善の余地や可能性」見出しにくいと考えています。
規格の解釈としては少し広すぎるかも知れませんが、内部監査における監査員が
持つ視点としても有効だと思います。