審査員になる前、知り合いの会社で「夢のある品質目標」に出会ったことがあり
ます。「夢」と表現するのは言い過ぎかもしれませんが、間違いなくユニークな
品質目標ではありました。
その品質目標とは「生産性の向上」です。???と思われたことでしょう。まさに、
ありふれた目標と言えますが、その達成度合いを測る指標(目標値)がなんとも
ユニークでした。
達成度合いを測る指標が「有給取得率」なのです。「時間当たり生産数量」などを
目標値に掲げて、達成度合いを測るケースが多いと思うのですが、「有給取得率」
とは驚きました。
社員は、報酬を得て仕事をしている訳ですから、生産数量を上げて会社の業績に
貢献し、会社の安定と報酬の安定を目指すという理屈はよく分かります。ですが、
生産効率を上げれば自分達が「休みやすくなる」という理屈の方が気持ちの盛り
上がりは違うと思います。
もちろん、やみくもに有給取得を追い求めても困りますので、その点は2015年版で
強化された要求事項である「目標達成のための具体的な活動重視」が効いてくる
ことも合せて話しています。そして、同じく新たな要求事項である「認識」にも
つながってきます。
その会社は20名程度で家族的な雰囲気でしたので、どの会社にも当てはめるには
デリケートな部分があるかも知れませんが、今でも審査先での余談として話す
ことがあります。
マンネリ化しがちな目標管理ですが、活性化させる工夫の一例としてご紹介しま
した。