何度か審査を担当させていただいた事務局の方が、審査を終えての帰り際に
「もう歳ですから退任です。今回が最後の審査対応でした」とおっしゃいました。
企業事務局と審査員としては1年に1度のお付き合いですが、そのお人柄や社会人
としてのお仕事ぶりを尊敬していましたので驚くと同時に寂しくなりました。
私が企業で審査を受ける立場だった時は、審査員が企業や事務局にそれほど思い
入れを持つことはないだろう、何度か担当しても多くの審査先の1つに過ぎない
だろう、思っていました。ですが、立場が変わると大きく違いました。
初めて審査を担当する企業が続く緊張の中で(出会いの緊張感もこの仕事の
醍醐味ではありますが)、既知の企業の審査が入るとホッとします。事務局の
方の顔が浮かび、訪問が待ち遠しくなることも度々です。
審査ではしっかりと公平性を維持することは当然ですが、1年に1度のお付き
合いだからこそ企業・事務局の方との接点を大切にしたいと考えている審査員は
少なくありません。そのような審査員がいることを、頭の片隅にでも入れて
おいていただければ嬉しいです。