審査では「良い状況や結果」も報告書に記載します。良いことは、言われる方も
言う方も気持ちがよく、気持ちが和む瞬間です。ですが、報告書に書く以上は、
単に称賛するだけではなく組織の今後に活かせる内容としたいので、不適合と
同様にその記述には神経を使います。
例えば、クレームが前期から大幅に減少した状況に対しては、営業から製造への
引き継ぎの方法を変えたこと、或いは、製造中の品質管理者の巡回を増やしたこと、
出荷検査の判断基準のバラツキをなくす勉強会を強化したこと、など出来るだけ
多くの情報をお聞きしながら主要因を絞り込んで行きます。
良いことなので、「あの策も良かった」「あの活動も役立った」と全てに賛辞を
贈りたくなります。だからこそ、あえて「要因」に着目することが重要だと思う
のです。良いことにまで「理屈・理論」を持ち出すことは“無粋かな”と省みる
こともありますが、それも第三者としての客観的な視点の“使命かな”と思って
います。
管理者の皆さんも、良い結果に直面した時にこそ「なぜ・なぜ・なぜ」と、次に
つながるヒントを探してみて下さい。もちろん、“無粋”にならない程度に。