ある組織の審査をする前には、過去の審査記録を確認します。そこで注目
することの一つは、PDCAサイクルのどこに課題があるか(弱み)です。
その視点で過去3年間以上みると、傾向や変遷を捉えることができます。
ただし、審査機関の報告書では、指摘事項がPDCAのどこに分類される
かは明示していないと思いますので(理由は後述)、是非自社で分類に
挑戦してみて下さい。
例えば、品質目標や環境目標の場合。達成に向けた活動が、具体的になって
いない指摘は「P」に分類。活動そのものが進んでいない指摘は「D」に
分類。活動状況や途中経過の監視に問題がある指摘は「C」に分類。監視
していても活動の方向修正ができていない指摘は「A」に分類。
例えば、現場作業の場合。必要な手順書や基準書に不足がある指摘は「P」
に分類。必要な作業記録が作成されていない指摘は「D」に分類。不良品や
工程遅延が発生しても分析が行われていない指摘は「C」に分類。分析が
行われても改善に結びついていない指摘は「A」に分類。
例を見て気付いた方もいると思いますが、分類する人の「見方や考え方」に
よって分類結果が違ってくる可能性があり、コンサルティングとなる可能性
もあります(これが、審査機関が正式採用しない理由だと私は思います)。
最初に過去数年分の報告書を遡って分類するのは少し大変ですが、一度行う
と審査の都度、分類結果を追加すれば済みます。それに、作業に見合うだけ
の有効な分析結果が得られると思います。ただし、その分析結果を活かさ
ないと、「A」の分類が増えますが。