ISOマネジメント研究所では、ISO9001,ISO14001,ISO27001,ISO45001,Pマーク等の第三者
認証の取得・維持のための支援をしています。2001年9月に創業し、
中小企業をメインに支援
企業は1000社以上あります。お客様のリピート契約率は、約8割です。単なる認証取得および
維持だけにとどまらず、組織や従業員にとって役に立つ仕組みづくりを
支援いたします。

クレームなどの不適合を再発させないための是正処置ですが、
それに続く「効果の確認」について今回、つぶやきます。

まずは「効果の確認」の目的を考えてみましょう。
規格では「有効性のレビュー」と表現されています。
是正処置の内容が本当に再発防止に「有効」であったどうかを確認
することです。合わせて、是正処置を実行しているかどうかの確認も
重要です。

「再発が無かった」だけで是正処置が有効であったと判断するのは
危険だと考えます。施策の内容が的確ではなくても、確実に実施されて
いなくても、たまたま再発しない場合があるからです。

次に、いつ「効果の確認」を行うべきかを考えてみます。
審査では、是正処置と同時に「効果の確認」を行うパターン、
1週間〜1ヶ月後など時間差で行うパターン、そして同様の事象が起きる
(同じ製品を受注する)のを待って行うパターンを見かけます。

同時に行うパターンでは、確認の実施を忘れる可能性は無くなりますが、
規格の意図に合致するか否か疑問です。

ですが、時間差で実施すると確認の実施を忘れるリスクがあり、
実際に「効果の確認」欄が空白のまま忘れられている事例が少なからずあります。

そして、1年経っても同じ製品が受注されずにそのまま放置の事例もあります。
不適合の重大性などに応じて、個別に上記のパターンを使いわけることも
理想的ですが、それも煩雑です。

私が提案したいのは、不適合が発生した期間毎にまとめて「効果の確認」を
実施する方法です。例えば、四半期単位での実施です。私の提案にも、
良い点悪い点はありますが、少なくとも、のど元過ぎれば、で「効果の確認」
を忘れてしまうことは避けられると考えます。

「効果の確認」は、非常に重要な活動です。
 

毎年或いは年間2回の審査では、同じ審査員が連続してくることが
あるでしょうか?審査機関によって原則固定の場合や、逆に毎回
変わるなど様々かと思います。

当然ながら、どのような審査員が担当するかはISOを有効活用したいと
考えている企業にとっては非常に重要です。

その是非は企業の目線で考えることが大切ですが、
今回は私審査員の目線でつぶやいてみます。

私は、連続2回の審査をお薦めします。
その根拠は、消去法で説明することになります。

まず、単発で毎回変わるケースですが、これも実は有効性が高いと
考えています。新たな視点で臨むため、多くの発見が期待できる
からです。

ただし、全体を見渡すことから始まるために深さ(例えば教育の仕組み
を掘り下げて審査するなど)が足りなくなる可能性があります。

では、審査の深さを出すために連続するケースを考えてみます。
例えば、3回以上連続することを考えてみます。

タイミングが合えば認証の3年サイクルと同じになりますから、
一貫した視点で審査できるメリットはあります。

ですが、恐らく3回目は発見力が相当落ちてくると思われます。
ましてや、4回以上では相当顕著になると思われます。

その分、前2回の審査の結果をフォローする時間も生まれますので、
その点はメリットでもあります。

以上、単発及び3回連続共にデメリットとメリットがあるですが、
その中間である2回連続から得られるメリットが一番多いとの
結論になります。

企業の目線からは担当した審査員との相性も重要ですから、
総合的な判断が望まれます。

審査の公平性からは、どの審査員に担当して欲しいかという
企業の希望を丸飲みすることは問題がありますが、少なくとも、
どのようなサイクルで担当して欲しいかについては、
審査機関として最大限お応えすべき事項だと思っています。
 

ある中小企業の審査での出来事です。
教育記録の確認を行う中で、事務局の方が「結構手間暇かけて作成しますが、
その後の活用がない。もっと簡素化したい」とおっしゃいました。

確かに、実際の教育内容と比べると多少デフォルメされた内容とも
感じられましたが、それほど過剰とも思いませんでした。

その方は、とにかく運用の簡素化を目指したいとの意向が強く、
私自身もシンプルISOの良さを感じているため、記録内容の簡素化に
向けた話となりました。

それなりに簡素化の提案が出揃った時、別の事務局の方からこんな発言が
ありました。「確かに記録の内容は多いかもしれないし手間もかかるが、
後で記録を作らなきゃいけないと思うことで、教育を受ける側も行う側にも
ある種の緊張感があるのも事実」。

心の中で、衝撃と反省が渦巻きました。ついつい簡素化を「テクニック」と
して論じていたのです。極端に言えば、記録を作るという活動の意図や効果を
あきらめ、審査を通過するための裏ワザ探しになっていたのです。

まったく恥ずかしい限りです。企業があきらめても、私達がISOの価値
向上や有効性向上をたとえ小さな事象でもあきらめてはいけないと、
あらためて自分自身に言い聞かせ、反省させられた出来事でした。
 

実際に作業されている方への現場インタビュー。
その実施を通して、それぞれの会社が持つ「雰囲気」を感じることができます。

もちろん、対応いただく方々がお持ちの個性による違いもありますが、
やはり会社全体に通じるものを感じます。

例えば、「なんでも聞いて下さい!ちょっと楽しそう!」という心の声が聞こえて
きそうな雰囲気で対応いただくこともあります。

それは、しっかりと「ISO」を運用しているからだと思われるかも知れませんが、
案外そうでもなく(失礼ながら)、「ありのままを話していいよ」と上司から
言われている、或いは、そのような雰囲気があるからだと感じるのです。

一方、「変なことを言わないように」と緊張している様子と共に、
インタビューを見守る上司の心配顔(さすがに怖く表情ではありません)が
目に入ることもあります。

現場インタビューで見つかるISO運用上の問題や課題には、
上司の方々も認識していなかった内容が少なからずあります。

審査員も現場インタビューでは、できるだけリラックスしていただける雰囲気を作り、
仮に何か見つかっても、個人の責任ではなく仕組みの問題として扱うことに配慮します。

是非とも、審査における現場インタビューをISO運用の確認だけでなく、
現場の活性化や人材育成(少し大袈裟ですが良い経験にはなると思います)に
役立ててはいかがでしょうか。

その意味でも、経営層の方々が実際の審査の様子を観察されることは
有意義だと思います。
 

審査では様々な記録に触れますが、その表題部分で気になることがあります。
それは、表題部分の「情報量」です。

皆様の会社の記録を思い浮かべて下さい。表題部分にはどのような情報が、
どの程度記載されているでしょうか。

言い換えると、どのような情報を、どれだけ「記載しなければならない」様式に
なっているでしょうか。

例えば、製造業であれば品名、品番、受注番号、顧客名、寸法、材質、
営業担当、設計担当、受注日、納品日、建設業であれば、顧客名、工事番号、
工事名、工事場所、工期、工事概要、現場代理人、設計担当、
はたして、その情報は「誰のための」記載でしょうか。

第三者として目にすると「丁寧で解りやすい」とも感じますが、実際に記録を
作成する人のことを思うと「この情報を記載するのは少し面倒かな」と感じます。

会社によっては自動で引用記載されるなど便利な仕組みがあったりしますし、
何よりも審査員が話すには「おせっかい」過ぎますので口にはしません。
(実は、時々ちょこっと話します)。

ですが、社内の人にとって最低限必要な「識別レベル」を考えると、
絞り込める可能性を感じます。

記録作成の手間を少し減らす「ちょっとした」工夫かも知れませんが、
発想の転換として他への応用も可能な考え方です。
 

ISOの要求事項である、外部や内部の課題の把握、利害関係者のニーズや
期待の把握、取り組むべきリスクの決定、これらは審査機関にも当てはまります。

企業が「社会の公器」と言われるように、第三者認証という「公器」に携わる
審査機関も社会が求めるニーズや期待に応えなければなりません。

応えられなければ、企業からの審査依頼がなくなり、
審査機関としても運営できなくなります。実際、そのような事例もあります。

「とてもそのように考えているとは思えない」という厳しいご意見もあると思います。
審査機関に属していても、審査先からのクレーム情報を聞き、そのように思うことが
あります。

ですが、私自身、ISO9001認証を含む「第三者認証制度」の意義を強く感じ、
社会にとって価値のある「仕組み」だと信じている人間の一人です。

またまたISOの要求事項の話になりますが、審査機関も顧客重視、顧客満足の
把握に取り組んでいます。審査後のアンケートを実施している場合や、
苦情や要望の専用窓口の設置など様々な方法があると思います。

是非とも、遠慮することなくご意見をお寄せ下さい。それにより審査機関も鍛えられ、
皆様に良好な審査サービスを提供することにつながります。

余談ですが、とあるベテラン審査員に聞いた話です。

「今回の審査は喜んでもらったな〜」と良好な雰囲気のうちに審査を終えた企業から、
後日とても厳しい苦情が入り、相当凹んだらしく「突然、後ろからバッサリ斬られた
感じだった」と。そのような辛い経験をしないよう精進しよう思いました。
 

組織の中にISOがどの程度浸透しているか、を感じることの一つに内部
監査員の顔ぶれがあります。

例えば、管理責任者や事務局など限られた「詳しい人」だけで構成され
ている場合、或いは各部の若手が含まれている場合などです。

もちろん詳しい人が中心となって進めることのメリットも多いのですが、
できるだけ多くの人が参加することで、監査する側もされる側もよい刺
激になると考えます。

最初は上手くできないかも知れませんが、ISO審査でも取り組みの意図
をしっかり説明できれば問題ないでしょう。

監査員は日常業務にも活かせるスキルを磨く絶好の機会です。

少し話はそれますが、部門が少なく公平性が保てないという質問を受ける
ことがあります。

例えば社長を含む3人の会社での公平性とは、自分が作った記録を見ない
ことが精一杯でしょう。

例えば、製造部の若手が、製造部の仕組みを運用者の視点で、監査する
などは、監査だけでなくISO運用の活性化にとっても価値あることだと
思っています。

是非、内部監査という仕組みを活用して下さい。
 

2015年版になって、特にいわれるのが事業との融合、或いは
実務との合致です。

言い換えれば、ISOを会社の仕事と別物にしない、
或いはISOのためのISOにしないということです。

では、具体的にはどうすればいいのか?

まずは、大きく三つの観点があると考えています。

1.業務ルールを明確にするために利用する。
2.業務上の課題を解決するために利用する。
3.業務を改善して事業を発展させるために利用する。

これらは、同時進行したり、戻ったり、繰り返したりします。

ですが、1だけでは物足りないし、3は難しいかもしれません。

まずは2を意識して「今年は、〇〇起因の不良を減らす」「今年前半は、
売上増加に全部門の目標の標準を合わせる」など、ピンポイントにメリ
ハリの効いた運用を目指してはいかがでしょうか。

それが、自ずと3へとつながると思います。
 

2015年版だからという訳ではありませんが、ISOの仕組みは自社の
実態と一致することが大切です。

その典型的なケースに出会うことがあります。計測器の校正頻度です。
それも、費用の発生する外部機関で行う校正の頻度です。

自社の製品に必要な品質精度や使用状況に「合致」しているケース
よりも、「そんなに頻繁に必要なのだろうか」と心の中でつぶやきたく
なるケースが多いです。

その場合に、少し水を向けると「もっと間隔空けても(審査は)大丈
夫ですか?」と質問を受けることもあります。

或いは「校正業者の証明書に期限が書いてあるので」と説明を受けたり
します。校正業者には、その会社の情報はないと思うのですが。

当然ながら審査員や校正業者が決めるものではありません。

「1年毎」が最も多いですが、実態に合わせて「2年毎」或いは
「3年毎」など検討してみてはいかがでしょうか。

費用面の効果だけではなく、ISO全体を実態に合わせるきっかけになれば
いいですね。

もちろん、製品品質や顧客要求に無理がくるようではいけませんので、
あくまで「合致」を目指して下さい。
 

ISO9001:2015年版での新しい要求項目「組織の知識」ですが、
以前の仕組みから変更することなく、不適合報告書(是正処置)や
手順書を該当させているケースがあります。

規格では文書化の要求はありませんし、ISOのために特別な仕組みを設ける
ことは本意ではありませんから、問題ありません。

ですが、一方で「もっと活用の可能性もあるのでは」とつぶやきたく
なることもあります。

「身の丈に合わないISO」「大企業のマネをしたISO」などと、
ISOのマイナス面を強調するあまり、「簡単にする」「最低限にする」ことが
最優先されて、「活用する」ことが後回しになっていると感じることがあります。

世代交代や技術伝承が多くの企業で課題となっていることを思うと、
「組織の知識」として、「どのように蓄積し」、「活用するか」を検討する
好機ではないでしょうか。

必ずしも、技術集などの“形”としなくても、教育や伝承の“仕組み”として
取り組む、或いは品質目標に掲げて、じっくり取組むことも有効ではない
でしょうか。

「簡単(シンプル)」「最低限(無駄なく)」そして「活用」をキーワードに!
 

ISOを構築された事務局の人でも「規格」を読んだことがないと
おっしゃることがあります。
決して非難するつもりはありません、あくまでつぶやきです。

このように書くと、「えっ!」と驚く方と、
「私も」と思う人がいると思います。

読んだことのない人には、長年ISOを運用している会社で
事務局を引き継いだというケースもあると思います。

私達のように、仕事にしている訳ではありませんので、
読んでないとダメということではありませんが、
やはりお困りになることが多いのでは、と思ってしまいます。

例えば、ISOの仕組みを改善しようと思って、手を加えると
「規格」を読んでいないと、審査で指摘されるかも知れないと
「不安」にならないでしょうか。

審査員からの指摘や推奨事項に「?」と納得できなくても、
抵抗、対抗することが難しくないでしょうか。

「規格」を読むといっても専門的で完全な理解をすることまでは
必要ありません。

自分たちの会社のISOのそれぞれの仕組みが「規格のどの部分に
対応しているのか」ということを知っておくことです。

規格には“具体的な方法”までは書かれておらず、
具体的な方法は自社で決めたということを知る、
と実感するだけでも十分です。

少し大変かも知れませんが、今後の運営がグッと楽に、
そして良くなるはずです!

特に、新たに2015年版に取り組まれる際には、
是非、挑戦してみて下さい!
 

審査の流れとして、最初に経営者の方のインタビューを行います。
そして、最後に審査結果をご報告。

ですから、実際の審査の場面を経営者がご覧になることは、殆どありません。

ですが、先日、審査の全てに参加する経営者がいらっしゃいました。
参加といっても、一切口出しされずに少し離れたところで見守っておられました。

決して“暇”なのではなく、「実態」をみたいとお考えになって、
時間を割いてのご参加でした。

数年に及ぶ運営の中で“はじめて”のことだったそうです。

結果としてのご感想は、「どんなことを質問されて、どんな風に社員が答えて
いるのか、初めて見ました。これを、見ていなかったのは今更ながら反省です。」

「しっかりと答える社員を心強く感じました」
「まだまだ、実務と合っていないことが多いですね」
「多くの言い訳を○○さん(私)は聞いて下さったが、実態はまだまだですね」
「もっと、たくさんの社員に審査対応をさせて育成したい」
等々、興奮気味に話されていました。

忙しい時間を割いた価値は大きかったとのことでした。
本当に素晴らしい審査となりました。

ですが、他の企業の経営者に直接お勧めすることは、
気がひけてしまうの正直なところです。
「そんな時間はありません!」と言われそうで。

つぶやき・・・「とても、とても、とても価値あることだと思います」
 

外部・内部の課題、利害関係者のニーズと期待、取り組むリスクと期待
この3要求は、2015年版の大きな特徴です。

ただし、いずれも「決定する」「理解する」などと表現されており、
文書化の要求はありません。

文書化しないか、マニュアルに記載するか、別途に文書するか、
審査では、様々なパターンに出会います。

それぞれ適合することは可能ですが、「有意義な運用」という視点でみて
このような事例がありました。

マネジメントレビューのタイミングと合わせて、社長の他、若手を含む
管理職が集まり、冒頭の3点について意見を出し合っていました。

2時間程度行ったそうですが、多岐にわたる「活きた」内容が挙げられて
いました。そして、確実に振り返るために文書化していました。

大変良い機会だったと話されていました。

2015年版の改定主旨として「事業との融合」が挙げられています。
仮に審査対応としての文書化でも、是非「活用」していただきたいと思います。
 

ISO9001も2015年版が発行されて、いよいよ移行が本格化し始めました。
この「つぶやき」にも、2015年版移行に関係する内容を盛込んで行きます。

まずは、文書化の緩和です。これは、大変意義深いことです。
これまで、規格が必ず作成することを要求していたのは
「品質マニュアル」と「文書管理」や「記録管理」等の文書6つの合計7つです。

ですが、実態としは、過去に「文書ありき」の審査が行われていたこともあり
手順書を含めて多くの文書が作成されていたことと思います。

そして、その多くが利用されていない、且つ実態とも合っていない・・・。

一方、2015年版では品質マニュアルを含めて
“規格としては”文書化を要求していません。
“必要であれば”文書化して下さいというスタンスです。

では、何を“必要として”残すか?

私は、常々「第二階層・規定」と呼ばれていた文書は不要だと思っています。
関連する帳票があれば運用できると考えるからです。

「品質マニュアル」と「第三階層・手順」で十分ではないでしょうか。
不安でしょうが、上述の「利用されていない現状」を考えると・・・。

一度、契約している審査機関の窓口に相談してはいかがでしょう。
コンサルティングは無理でも、何らかのヒントはくれるかも知れません。
 

規格や審査で大きな成果や効果を期待されながら、その運用が難しい内部監査。
なぜ難しいのか。それは審査機関の審査と「同じ」目線で監査をしようとしている
からないでしょうか。

大きな意味では審査も監査も「同じ」ことを目指していますが、
「変える」ことも重要だと思っています。

審査も監査も、企業にとって貴重な時間と資源を使う訳ですから、
「同じ」にするのは“モッタイナイ”

ルール通りにやっているかは「そこそこ(笑)」にして、「作成が面倒な記録は?」
「意味の分らない記録は?」「もっと簡単にできない?」から始まり、
「最小の手間で最大の成果を目指そう!!」となれば理想的です。

他の「ISOの仕組み」と違って日常業務への影響が少ないため、
思い切った「試行錯誤」ができるのも内部監査の特徴です。

仮に「失敗」して審査員から指摘されても、「挑戦することを責めるのですか?」と
言ってみて下さい。審査員に非常に効く“ツボ”ですから(笑)
 

 以前、運用が難しい仕組みとして購買先管理を“つぶやき”ました。
今回は、同様の視点で顧客満足度の把握を“つぶやき”ます。

よく目にするのが、項目に従って採点してもらう「お客様アンケート」です。
「無難な点数」「毎年同じ・・」「結果の活用も・・」という難しさ。

直接の担当者(営業担当者など)ではなく、その上司が聞き取りに行って、
点数ではなく「生の声」を聞いてくるのはどうでしょうか?

ISOは別にして「なんとかして、お客様の意向を知りたい!」と考えれば、
妥当な方法ではないでしょうか。

その時、「弊害」として聞かれるのは、まずは「数が多くて対応できない」、
ですが、どのように入手するかは企業が決めてよいのです。

「30社のアンケートよりも、5社の聞き取り調査が効果的でした!」
或いは「・・効果的だと考えてトライしました!」と、
審査員に胸を張って下さい。

次の「弊害」は、調査対象が少ないと「主要顧客を全てカバーできない」、
ですが、主要顧客を含むかどうかも企業が決めてよいのです。

そもそも、主要顧客の情報は相当把握できているのではないでしょうか。
それよりも、主要顧客になる可能性のある次のクラスの顧客、或いは低位
の顧客、自社を快く思っていない顧客などはどうでしょうか。

「弊害」を考える時には、審査員の目線を意識するのではなく、
是非、規格の意図や目的を意識して下さい。

そして、規格の意図や目的は、「自社にとって価値があるか、合理的であるか」
を考えると、自ずと合致してくるでしょう。

ISO9001の取得を検討している企業から相談を受けることがあります。
そこで、よく耳にする“不安”があります。

「職人気質の作業者が多く、企業体質も古いのですが
大丈夫でしょうか?」というものです。

もちろん、推進者としての“不安”はよく分かりますので、
しっかりと受け止めてからお話しします。
「御社のような企業が取得できなければ“ISOはUSO(嘘)”です」と。

ご存知の通り、ISO9001認証は「物」ではなく「仕組み」が対象ですから
先の言葉は“励まし”を込めてのものですが、ある意味では真理です。

「我社がお客様から支持されてきた実力を見せてやる!」
「審査での指摘は、組織活性化のスパイス!」ぐらいの気概も必要です。

そして、推進者の様々な“不安”や“苦労”に報いるためにも価値ある
審査を行う義務があると“つぶやき”ながら私自身に発破をかけています。
 

品質目標について特徴的な2つのパターンがあります。

品質目標が「クレーム撲滅※件以下」や「売上向上※円達成」
達成のための具体策が「作業員の意識改革」や「営業担当者のSE化」

そして、逆のパターン(完全に逆ではないですが)
品質目標が「作業員の意識改革」や「営業担当者のSE化」
達成度を図る指標が「クレーム※件以下」や「売上※円達成」

形が変わるだけのように見えますが、
「込められた思い」や「受け取る側の意識」
には違いがあるように感じます。

どちらが正解とは言えませんが、「品質目標は数値化!」の
意識が強すぎると、本来の「目指すことへの思い」が
希薄になるかも知れません。

個人的には後者のパターンが好きです。
 

審査前の打ち合わせで、経営者や事務局にお聞きします。
特に焦点を当てたい部署やプロセスはありますか?と。

その際、「○○部が上手く行っていません。第三者から指摘
されると少しは響くかも知れません」

或いは、「○○部は頑張っています。特に、○○活動は大きな
成果を残しています」等とお話いただきます。

もちろん、審査は厳格・公平・客観的に、
ですが、経営層の意図をくみ取ることも必要です。

審査中に相手の方が「いつも社長から指摘されるけど、他人から
見てもそうなんだ〜」

或いは「俺達の活動、すごいんだ〜」と、口には出さずとも感じて
いる様子が見えます。

高い費用と多くの手間をかけているISOですから、
是非とも利用し尽してはいかがでしょうか。
 

内部監査の計画に関してお聞きすると、よく目にする記録があります。
それは、内部監査の実施月“だけが”記された年間計画表で毎年同じです。

そして、続いて提示されるのが実施前に作成された具体的な計画です。
実施日時や担当監査員などが記載されています。

その具体的な計画に「(現状に基づいて)どの部門の・どこの・
何に焦点を当てるか」が、記載されていると活発な内部監査と感じる、、、
これは、また別のつぶやきで。

冒頭の年間計画ですが、率直に「必要かな?」と感じます。
ですが、以前の審査で指摘されたのかも知れませんし、、、。

他の仕組みも含んだ年間計画として作成すると、活用度はますかも知れません。
内部監査やマネジメントレビューや購買先評価や顧客アンケート等々。

事務局のためのチェックシートとしても役立つのではないでしょうか。
ですが、本音のつぶやき、、、「具体的な計画だけでいいのでは?」
 

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