わかりやすく教えることが大事だとよくいわれます。
確かに、わかりにくいよりは、わかりやすい方がいい。
しかし、コンサルの現場にいて、思うことは、
必ずしもわかりやすいのが一番とは限らないことです。
これは、どういうことかというと、
わかりやすいということは、わかっていないのに、
わかったつもりになることが多いからです。
軽妙な語り口や単純化したメッセージは、
聞きやすく、理解しやすいですが、
頭の中では何もひっかからず、さらっと通り過ぎること
があります。
たとえば、安全管理や情報セキュリティなどの話。
こういう話は、頭にしっかり残って、
行動としてとってもらえなければいけないものです。
ああいう話があったけど、
参考になった、面白かったでは困るのです。
安全管理や情報セキュリティの話でいえば、
これは、事件・事故を起こさせないことが目的で、
わかりやすいことが、事件・事故がゼロにつながるか
どうかは別問題です。
所詮、自分には他人事だと思うこと、
これが一番マズイわけです。
事件・事故は、
自分もやらかしてしまう可能性を意識させることです。
私を含めて、多くの人は、自分を過信している、
現状を楽観視しています。
特に、大手企業に多いという気がしますが、
最近は、現状認識が甘い、自分を知ることに疎いという人が多い、
という気がします。
厳しい現実は、目の前にドーンといきなり
現れますから、それになんとか対応できる準備や
心構えが、個人においても組織においても
必須の取組みだと切に思います。