先日、研修を実施したある企業の参加者から、
こんなことを聞かれました。
教育を受けたら形式的な研修リポートを
求められる、こんなことは必要なことなのか、と。
ISOには、文書化した情報を保持するという
要求事項がありますので、これを満たす
一つの手段として、研修リポートの作成
ということがあります。
しかしながら、こういういい方では、
ISOだからやらなければいけない、
ISOはめんどくさい、
ISOは手間のかかることを要求している、
などと思われることがあります。
企業によっては、
研修リポートは単なる参加記録にすぎないもの
なのかもしれませんが、
ISOにおける文書化は、形式的なものは、
要求していませんし、組織運営上、
必要だから作成してもらうものです。
研修リポートを作成することで、
自分の理解をさらに深めることができる、
研修を実施した方も、それを見て参考になる、
組織の知識として、それを共有し、今後活用できる、
これらのためにリポートを作成しなければいけないのであって、
役に立たない、形式的なものは本来作成すべきでは
ないと考えます。
一般的に、仕事をする上で、
文書・記録というとめんどくさいものの
最たるものなのかもしれません。
だからこそ、作成者には、以下のようなことを
まず、伝えるべきだと考えます。
1.作成する目的
2.作成見本
3.活用事例(展開)
さて、
今回、ISO9001及びISO14001の規格改訂において、
文書化に関する要求が現行版と比べ減っています。
たとえば、品質マニュアルの作成は要求事項では
なくなっています。
ISOの要求事項としてないから、
品質マニュアルは作成しない
というのは短絡的です。
もちろん、
意味のない文書化は必要ありませんし、
今回の規格改訂を契機として、文書化を
見直してみることは必要だと思います。
文書化は、
ISOの要求事項としてないから、作成しないのではなく、
組織運営上、必要だから作成するというスタンスで、
必要なものを見極めて考えるとよいと思います。