
大ヒットマンガ、『ドラゴン桜』を書いた、
三田紀房氏は、マンガ家になる前、
実家でもあった洋品店を営んでいたといいます。
その経験で、こんなことに気づいたそうです。
結局のところ、一番売れるのは、
定番商品である、「白いポロシャツ」だと。
何かを売っていくには、斬新で、
他とは異なったものが必要だと考えがちです。
しかし、あとで調べてみれば、定番商品が
一番売れていたそうです。
三田氏は、このことから、斬新さなどは、
ねらわず、定番商品をねらっていくことが
成功の秘訣だと気がついたといいます。
さらに、三田氏は、継続して成功していくには、
「型」の存在が重要だとわかったそうです。
例えば、アイデアの創出も「型」が大事だといいます。
頭の中にストーリーの「型」が用意されていれば、
それを発展させるだけだから、迷いがないそうです。
また、三田氏は、作品内容も、制作フローも、
自分自身のスタイルも、できる限り
デジタル化(成功パターン化)するといいます。
つまり、大事なことは、成功のパターンを公式化し、
その公式で生産していくという「型」ができているか、
ということだと述べています。
・自社における成功パターンは、どんなものか?
・また、一方で、失敗パターンは、どんなものか?
・そして、これらは、ちゃんと公式化でき、「型」化できているのか?
これらのことは、規模や業界を問わず、同じように
必要なことだと思います。
ところで、なぜ、三田氏が、このような考えに至るように
なったのかについては、以下のような違和感を感じていたから
だといいます。
“「漫画界には、限界まで身体に鞭打ってこそ、
素晴らしい創作活動ができるという美学、もとい
『幻想』があります(笑)。最初は私もその価値観
に慣れていましたが、デビューから十年が経ち、自作が
売れ、自信がついてきた頃から『別の方法でもいい作品は
作れるはず』と考えるようになったのです」”
出典:『THE21 2017-08 No.393 すごい時短術』
美学だと思っていたことが、幻想だった、
とならないように、しっかりと現実を見ていく、
再現可能な形にしていく、
これらのことがあらためて大事だと感じます。