コラム2017/10/16 組織の認識は適切であるか

先日、ある大手自動車メーカーが、
無資格の従業員に完成検査を行わせていた
ということが発覚し、謝罪会見が行われました。

 

 

 

新聞等の報道によりますと、
その会社が行う完成検査において、
認定されていない「補助検査員」が検査をし、
正式な検査員が検査をしたと装っていたそうです。
また、偽装用印鑑も用意し、それを帳簿で管理して
いたとされています。

これに関して、この会社は、謝罪をしていますが、
検査自体は必要な全項目について実施しており、
安全性は確保していると「認識」しているようです。

ここで気になるのが、「認識」ということです。

この会社としては、
「補助検査員」も正式な検査員として、
認めれば問題なく、単なる手続きの問題で、
実際は、適切に検査を行っているのだから、
問題ない、という「認識」なのかもしれません。

しかしながら、
この本来の「完成検査」という意味合いを
考えますと、この完成検査とは、
新車が公道に出るための
出荷直前に行う安全性を検証するもので、
この完成検査を受けた証明が、
安全に路上に走る車として「お墨付き」となり、
販売店に出荷されるものです。

そもそも「完成検査」は、本来は国が行うものですが、
運用実態面を考え、メーカー側が代行して行い、
安全環境性能法規(保安基準)に基づいて行うものです。

このような背景があって、
メーカー側は、認定制度を設け、信頼性を担保している
ものですが、今回、これが守られておりませんでした。


ISOの要求事項、7.3 認識には、
「組織で働く人々が、要求事項に適合しないことの
意味に関して、認識を持つことを確実にしなければならない」
というものがあります。

要求事項というのは、法令(規制)要求事項も含み、
適合しないことは、法令違反なども意味します。

つまり、仕事を行う上で、法令要求事項を満たさない、
守らないと、どのような影響があるのか、その意図や
背景も踏まえて、従業員には、しっかりと「認識」させ
なければならない、ということを要求しています。

法令に関する「認識」にとどまらず、
仕事に対する「認識」が適切であるかどうか、
従業員全てが適切に「認識」を持つようにしておくことは、
組織の運営において、必須の取組みです。

ISOの運用に限っていえば、
まずは、ISOに関する適切な「認識」を持つこと、
ISOを問題解決の有効なツールとして位置付けようとする
「認識」がぜひとも必要だと感じます。