内部監査の充実に悩む企業が多い一方で、内部監査が充実している企業では
ISOそのものが有効に機能しています。まさに、内部監査がISOの肝と
言われる由縁です。
今回は、内部監査と審査機関が行う外部審査の違いから、内部監査の有効活用
を考えてみます。
審査機関の審査とは、私なりに表現すると「規格に基づいて、組織のルールに
関する問題点を見出すこと」です。ですが、見出した問題点の「解決策を提示
する」ことは、コンサルタント行為になるため許されていません。「解決策
まで踏み込まない」立場を取ることで、少し引いた目線での客観性を維持して
いるとも言えます。
一方、内部監査では「解決策を提示する」ことが禁じられておらず、それが
大きな違いです。しかしながら、外部審査と同じような立場で行われている
内部監査をよく目にします。
公平性と客観性を維持するために自分の業務は監査しないことになっていますが、
やはり同じ組織ですから実情はよく分かると思います。その利点を活かさない
のは「もったいない」です。
岡目八目の意識で客観的に問題点を見出し、解決策を一緒になって考えるところ
まで踏み込めれば、内部監査の効果は更に上がります。
解決策に踏み込む時間が取れないという実情もあるかと思いますが、焦点を
絞ったチェックリストの利用など時間配分を工夫してみて下さい。
ちなみに、言葉としての「審査」と「監査」の意味をネットで検索すると
「審査=適否・優劣・等級などを決めること」「監査=正確性、適切性、妥当性
等を判断し、意見を示し、解決に導くこと」など説明されています。是非、
「解決」に導く内部監査を目指していただきたいと思います。