前回、ISO14001取得のメリットについて書きましたが、その視点はISO14001
規格の要求事項に対応することによるメリットでした、今回はISO14001を含
む各規格に共通する「外部審査を受けること」のメリットについて書いてみます。
私の考える外部審査を受けることのメリットは、「他者の意見に耳を傾ける
雰囲気作りに役立てる」ことです。
審査員という立場で様々な組織と接すると、「他者の意見」に対する組織の
受容性の違いを強く感じます。「気が付いたことはどんどん指摘して下さい」
と経営者からの言葉があっても、各部門の対応が閉鎖的であることは少なく
ありませんし、逆に、一見すると気難しい様子の強面部門長が「そのような
視点は持ってなかった」「一度試してみます」などと高い受容性を持ってお
られることもあります。
自分達の考え方や方法に自信を持つことも重要ですが、硬直化しないためには、
「他者の意見」に耳を傾ける雰囲気を醸成することも欠かせないと考えます。
だからこそ、利害関係の無い外部の審査員が、組織の内部に深く立ち入ること
のメリットは大きいのです。
そのメリットを最大化するためには、外部審査で出来るだけ多くの指摘や助言
を受ける(審査員から引き出す)ことを「良し」とする旨を経営者や事務局が
社内に示すことが効果的です。
審査先の受容性を論じる前に、審査員として価値ある指摘や提言が出来ている
か否かを省みるべきであることは承知の上ですが、受容性の視点で外部審査の
メリット(価値)を考えてみてはいかがでしょうか。