コラム2018/6/8 マネジメントレビューにおけるアウトプットの形式は審査員が決めるのか?

先日、あるISO担当者からこんな質問を受けました。
審査員からこんな指摘を受けたそうです。
「マネジメントレビューのアウトプットは、マネジメントレビューのインプットに対応して、それぞれ応える形式でなく、コンパクトにまとめた形式がよい」と。

 

しかし、昨年は、別な審査員から、

マネジメントレビューのアウトプットは、
コンパクトにまとめた形式ではなく、
マネジメントレビューのインプットに対応して、
それぞれ応える形式がよいといわれたそうです。

いったいどっちにしたらよいのですか、という質問を受けました。

ISOの規格要求事項では、何をするかは決めていますが、
それをどのように(どの形式に)するかは、
言及しておらず(自由)、どのようにするかは、
組織が決めるべきことで、審査員が決めることではありません。

同じように文書化するかどうかも、ISOの規格要求事項で、
はっきり必要だといっているものを除いて、組織がその必要性を
決めるべきことで、審査員が決めることではありません。

組織が決めるにあたっては、
ある根拠を持って、決める必要がありますが、
それは、例えば、リスクや経営資源等を勘案して、
文書(様式)なら使い勝手や教育訓練の程度を勘案して、
決めればよい話です。

ISOの規格要求事項での原則を考えて見れば、このようなことが
いえますが、そもそも、審査員という立場から、なんらか
の指摘をしなければ、と思って、ついつい余計なことをいってしまう
ということもありますので、あまり過剰に反応するというのは
得策ではありません。

また、ISOの規格要求事項への対応が、正しいか、正しくないかを
審査員と議論して、こちらが正しいということを主張して、
仮に相手に勝ったとしてもなんの得もありません。

大事なのは、組織が今後も継続して、
うまくいくための仕組みをいかに作っていくことで、
そのために、何を、どう決めていくかです。


多くのISO認証取得組織の現状を見聞きして、
審査を受ける度に、振り回され、文書や様式が増え、
結果的に仕組みが重くなってしまっている組織は、
まだまだ多いと感じます。

問題はないという組織はありませんし、
外部審査という慣れない状況下では、どうしても受身的に
なってしまうというは、致し方ないところかと思います。

しかしながら、組織の将来を考える上でも、あとに続く人のためにも、
審査員が決めていく仕組み作りをしていくのではなく、
自分たちの組織が主体性を持って決めていくということが必要です。

では、組織は、ISOの審査対応にどのように向き合ったら
よいのでしょうか?

組織は、ISOの審査対応において、
規格解釈論にはあまり踏み込まず、審査員に振り回されるのでもなく、
そういう視点があるのかという、組織が見逃していた視点を
審査員からいかに引き出すのか、という対応を考えた方が得策です。

ISOの審査を契機として、問題解決のための「組織の問い」を作って
いけるようなことを考えるとよいと思います。