ISO9001の新規格で加わった「組織の知識」。組織が蓄えてきた技術やノウ
ハウを継承して行くためには欠かせない、とてもよくできた要求事項だと
思っています。文書・記録の要求がないこともあって少し地味な要求事項
ですが、審査での確認と合わせてその有用性をお伝えするようにしています。
多くに事例に触れるなかで、「組織の知識」を上手く実践している(或いは
前向きに取組もうとしている)組織と、その逆の組織の「違い」に思い当た
りました。それは、組織内に「メモ」を取る習慣が文化としてある組織と
ない組織との相関です。
ご想像の通り、「メモ」を取る習慣がある組織は「組織の知識」への取組み
や意識も高いと感じるのです。「メモ」を取る習慣は、いろいろな記録の
「その他」欄などの自由欄の充実度や欄外の追記などから見て取れます。
「メモ」を大事にする人(組織)は自分の仕事を客観的に捉え、必要な情報
を将来の自分や他人に伝える意識が高いと私は理解しています。仕事の時間
的な流れを大切にしているとも言えます。
人材育成、技術の伝承など「組織の知識」に通じる課題を挙げている組織は
多いのですが、その実践の一歩として、「メモ」を取る習慣が組織の中にある
か否かを振り返り、その是非を検討してみてはいかがでしょうか。「組織の
知識」への効果に限らず、効用の多い「メモ」の習慣ですから検討する価値は
大きいと思います。