正確にはカウントしていませんが、審査で出会う組織の半数以上がタイトル
通りの品質目標を毎年継続しています。「品質マネジメントシステムです
から、顧客クレーム削減を品質目標に掲げるのは当然です」と、よく言わ
れます。
勿論その考えを否定しませんが、品質目標達成のための貴重な1ステップと
しては勿体ないと思うのです。
例えば、①「顧客クレーム削減」→②「社内不適合の削減」→③「A工程
での歩留まり向上」の3ステップで活動を展開するとします(ステップ②
で終わっている組織も少なくありませんが)。この3ステップから「顧客
クレーム削減」を無くしてみるとどうなるでしょうか。
①「社内不適合の削減」→②「A工程での歩留まり向上」→③・・・少し
悩むのではないでしょうか。悩まずに「〇〇設備の△△操作でミスが起こり
やすい」と攻めるポイントがスッと浮かぶこともあるかも知れませんが、
ポイントが浮かばずに「最初の1か月でA工程の現状分析を行って攻める
ポイントを見つけ出してから・・・」となるかも知れません。いずれに
しても品質目標達成に向けた活動が、より深く・濃くなるのではないで
しょうか。
翌年、品質目標を「B工程での歩留まり向上」とすれば更にステップ③が
悩ましくなります。決して関係者を悩ませることを狙ってはいませんが、
活動自体の試行錯誤、トライアンドエラーを許す雰囲気を作ってさえおけば、
楽しいチャンレンジにすることも可能です。
「顧客クレーム件数」は、品質目標に掲げなくても当然ながら監視対象と
なるのですから、貴重な1ステップを占有している状況から脱却しては
いかがでしょう。