ある審査の結果報告会でのことです。審査員が指摘事項や観察事項を説明
するたびに、経営者が審査を受けた自社の担当者に「どのような状況だった
のか、どのような不都合や問題が起こる可能性があるのか、そしてどのような
改善案があるのか」等を説明するよう指示するのです。
経営者が報告の内容に納得していないという訳ではなく、担当者が確実に
理解しているかどうかを確認しているのです。そして、審査員に対して
「理解が合っているか」を確認するのです。
審査員としても説明を尽くしたつもりですが、改めて受け取った側から話を
聞くと、少しの食い違いを含めて補足説明が必要でした。
もちろん、審査員としては確実に伝わる審査に磨きをかけなければと反省
しましたが、それよりも強く感じたのは、審査に対して受け身にならずに
積極的に利用しようとする経営者の姿勢でした。
最後に少し救われたのは「いつもあのようにしているのです」という審査後の
経営者からの言葉でした。決して私達の報告の出来が悪かったからではない
のだと(笑)。