ある雑誌の記事です。「サンタクロースは、明確な“理念”があるから
3K職場でもイキイキしている!・・・冬の夜中に汚れた煙突から服を
汚さないように入り、子供を起こさないように神経を使い、大量のプレ
ゼントを朝までに届けというノルマを課せられる3K・・・」勿論、
その理念は、“子供の夢を叶えるため”です。
このサンタクロースの例示は、中小企業経営者が集まる会合において、
“経営理念”が自社内で共感を持って受け入れられているかを問い掛ける
ためのものです。経営理念が定まっていなければ、経営者の気まぐれや
思い付きで会社という船の舵を切ることになり、経営理念があっても共感
がなければ、帆は上がらずオールも動かない。
ふと審査で目にする品質方針のことを思い出しました。良し悪しは別に
して、10年前と今では品質方針に対する企業及び審査員の考え方は
異なっていると感じます。端的に言えば、以前は経営者の“血の通った”
或いは“活きた”文言を盛り込むことに焦点が置かれていましたが、
今は規格が求める文言や意図が含まれていればヨシとする雰囲気を感じます。
勿論、審査員は規格要求を超えて審査することは許されず、会社の理念の
深くまで踏み込むことは行き過ぎですが、経営者の気持ちが込められた
品質方針に出会うと感銘を受けます。そして、その方針が浸透している
様子が審査から見えると感動します。
私の記憶に残っているケースとしては、「お客様の期待を上回る〇〇
サービス」や「家庭に笑顔を届ける〇〇作り」等の創業者の言葉や考え
方を盛り込むケース、或いは「〇〇技術を日本中にお届けする」や
「新時代の〇〇作りを目指して」等の業界が置かれた現状や課題を打破
することを盛り込んだケースです。
美辞麗句ではないかも知れませんが、社内で共感が起これば大きな力と
なるフレーズです。