急な欠員への備えや人材育成の観点からも行われる多能工化のための業務
ローテーションですが、その推進において素晴らしい視点で取り組んでいる
事例がありました。
その企業は約50名の製造業でしたが、ルールとして3年を目途に業務ローテー
ションを行っていました。大きな組織では珍しくないかも知れませんが、
中小規模での実践は多くありません。
「するべきことは“ルール”にしないと、とても続けられません」と自嘲
気味に話されていましたが、ルールを決めることは出来ても、守ることは
容易ではありません。
業務ローテーションの実践だけでも素晴らしいのですが、私が一番感銘を
受けたのはその実践で大切にしておられた心得「引き継ぐときは、改善し
てから渡す」です。
ローテーションが決まると部門長も協力しての「改善洗い出しと実施」を
行うそうです。普段から改善には取り組んでいるものの、引き継ぎを控え
たある時期に“集中”して実施することによる質的・量的な効果は大きい
と説明されていました。
ルールではく“心得”と表現されたことも素敵だなと感じました。