「価値ある審査」、審査機関としては勿論ですが、審査員同士でもよく論じ
られるテーマです。審査員に限らず自身の仕事の「価値」を考えることは、
大変良いことであり必要なことだと思います。
今回は、審査の価値を振り返るとともに、審査員に求められていることを
考えてみます。
まずは、ISO9001を例にして基本的なところから挙げてみます。
①第三者認証制度としての審査の価値
第三者認証制度を簡単に言うと「企業同士、或いは消費者が個別に相手企業
の品質管理体制をチェックするのは大変なので、統一された規格を用いて
公平な第三者が代わりにチェック(審査)する。その結果を信用の一つと
して取引や購買の可否を判断する」ことです。
審査員は「世間一般の企業や消費者の代役」になるため、「公平性」「客観
性」「厳格性」等が求められます。加えて、審査員による判断に違いは許さ
れず「安定性」も必要となります。
続いて、付加価値(受審組織に喜んで頂く+αのサービス)の視点で挙げて
みます。
②受審組織の力を高めるための審査の価値
ISO9001規格は顧客満足や品質管理の維持・向上はもちろんですが、「組織の
力を高める」ことも求めています。「組織の力を高める」ためのヒントを得
てもらう=「“気づき”の提供」が審査員には求められています。そのため
には、審査員個人が持つ経験や個性といった「審査員による違い」が効果を
発揮します。
以上は、審査員側の立場から考えていますが、受審する立場からは「審査の
価値」についての別の考えがあると思います。どうしても相反する部分もある
と思いますが、最大限合致した審査を行うことを目指したいと思うところです。