2015年版になって同じ規格構造となったISO9001とISO14001。業務との合致を
目指していることも同じですが、以前から業務との合致を目指していた
9001を追いかける14001という印象です。取得しても業務(経営)の役に立た
ないという14001への批判を打破する狙いもあったと思います。
そして、業務との合致が進んだ組織では「内部外部の課題の把握」と「利害
関係者のニーズと期待の把握」「リスクと機会の決定」が同じ仕組みとなり、
品質目標と環境目標が同じ内容となり、結果として9001と14001が同化して
「違い」が小さくなります。
そして、そして、皮肉にも「やっぱり14001取得は必要?!」という声が出て
きます。
審査機関を含む「認証制度」をビジネスのアイテムとする立場にとって「取得
が必要?!」という声は、「ビジネスの危機」と感じるのが本音です。「違い
が小さいのだから同じ審査費用は妥当なのか?!」にも聞こえます。
あってはならないことですが、14001の「地位」を守るために、審査員が「9001
との違い」を強調する雰囲気が審査に出てくる可能性も否めません。例えば
「まったく同じ目標が何年も続くと、品質の観点だけで設定してしまうのでは」
等と。まさに、あってはならないことです。
前回、「審査の価値」についてつぶやきましたが、14001に限らず、規格の
「価値」を自分達の都合に合わせて誤魔化すことなく、私たち審査員も変化し
なければならないと思います。
9001と14001の同化が非常に進んだ組織の審査中に、宿舎で思いを巡らしての
つぶやきです。