業務上、他の審査員が作成した報告書を見る機会が多いのですが、世間で
話題になっている「働き方」に関連する象徴的な事例を目にしました。
審査報告書では、不適合に加えて「良い活動やその結果」も記載しますが、
そこでの2事例です。
まず1例目の要旨は次の通りです。
「○○不良を改善するために、就業後、係員が自主的に集まってその日の
発生不良を分析し・・・不良率の大幅な改善につながった」
この事例では、従業員の熱心な取り組み姿勢とその結果に賛辞を送っています。
続いて2例目の要旨は次の通りです。
「これまで慣例的に就業時間前に行っていた設備点検(点検表作成)では、
短時間でサッと済ませる人、時間をかけて丁寧にする人があったが、就業
開始後の○分間を一斉点検時間とすることで、稼動率の向上(故障率の低減)
につながった」
この事例では、良いとは言えない慣例から脱して、明確にルール化すること
で結果を出したことに讃辞を送っています。
称賛する審査員の気持ちに正否はありませんが、今の「働き方」では2例目が
妥当となります。称賛する気持ちが誰かの無理や負担につながっては行けない
からです。
本来の規格審査とは少し逸れた視点ではありますが、審査員として最大の成果
品である報告書の記載としては気を配るべきだと感じました。