ISO9001で求められている「顧客が満足しているかどうかの監視」ですが、その監視の役割を限定的に考えて「もったいない」と感じることがあります。次のような場面です。
顧客の工場の中に常駐して作業をする部門に、「お客さんから意見や要望、時には苦言等をお聞きすることがあるかも知れませんが、そのような時はどう対処することになっていますか」と質問すると、「顧客満足調査ですね。それは営業部門が毎年アンケートを行っていますので、私達の業務ではありません。営業部でお聞き下さい。」との回答が返ってくる場面です。
少し踏み込んでお聞きすると、やはりお客さんの「声」をたくさん手に入れているのです。ですが、残念ながら「活用」されていない事例が多くあります。
調査頻度や調査用紙等の形にこだわらず、まずは「顧客が満足しているかどうかの情報を入手できる業務」であることを一人一人が認識し、入手した場合のルール(誰に報告し、誰が必要な対応を決定するのか、どのような記録を残して今後に活用するのか等)を検討することが会社にとっては有意義だと考えます。
審査に対応する会社の負担も理解できますので、「規格要求と対応(ルール)」を一対一、或いは限定的に考えて審査員に対応することも止むを得ないかと思いますが、少なくとも社内的には「自分達の仕事の結果・成果を、お客さんがどのように評価してくれているのか」に全社員が関心を持つ機会になればよいなと願っています。