コロナ禍におけるリモート審査。その実施においては、受審組織も審査員も不慣れな場合が多く、その実効性への懸念を含めて、私自身もマイナスイメージばかり持っていました。
ですが、リモート審査の機会を活かそうとしている組織に出会い、マイナス面しか見ていなかった私は反省させられました。その活かし方とは、「社内教育」です。
これまでも、自社の内部監査員への教育の一環として審査に同席する事例はありました。しかしながら、現実の「同席」には時間・費用・場所等での負担や制約が伴います。特に、大きな組織では他拠
点からの参加は困難でした。
その制約をクリアするのがリモート参加です。時には、20名近い参加者がいるとお聞きすることもあります。内部監査員だけではなく、直接の審査対応者以外にも審査及びISOに参画意識を持ってほしいと選定された人もいました。
少し状況は異なりますが、現地訪問での審査で、他拠点からTV会議システムで審査を聴講(?!)している事例もあり、これもコロナ禍でのリモートシステム活用と感心しました。
冒頭マイナス面の話をしましたが、審査員にとっても審査スキルを試される機会であり、成長・進化を求められるリモート審査なのです。当然のことながら、審査の実効性を確保した上で、リモート審
査ならではの「審査の価値」を見出すことが与えられた使命だと思っています。