ISO9001や14001では、その要求項目4.1、4.2で「組織を取り巻く内外の課題」と「顧客を含む利害関係者のニーズと期待」を明確にするように求めています。
多くの組織では、それぞれを文書化して年に一度更新しています。ですが、内容がまったく同じ、或いは文言や言い回しだけが少し変わっているだけの事例も多くあります。変化のない文書は、結果として社内で注目されることはなく、「審査員が見るためだけの文書」になりがちです。
「作成しても利用する場面がなく、意味を感じない」という意見も多いのですが、4.1、4.2に関する事項は(規格詳細は省きますが)、仮に漠然としたものであっても全ての経営者の中にはあると思っています。それを、少しあらたまった機会として整理して、明文化する意味は大きいと考えて
います。
4.1、4.2の意図として「明確にする⇒社内で共有する」ことがあると考えています。組織を取り巻く内外の状況を、経営者が「今」どのように考えているか、社内に示すことで、一人一人の目標や課題への納得感を増すことができます。
網羅的に作成しているため追加や削除が難しい場合でも、「内容自体には変化はないのですが、今年度は、これとこれに注目しよう!と、マーキングして社内に周知しています」
と活用している組織もあります。