ISO9001や14001では、その要求項目5章で「リーダーシップ」の発揮を求めています。
私自身もそうなのですが、5章に関する指摘事項が審査で示されることは極稀です。指摘があったとしても、社員の所持する品質方針カードが旧版だった、或いは掲示物が旧版だった等、あくまで「社員側」に向けたものであり、「トップマネジメント」に向けたものではありません。正直、トップマネジメントに向けて指摘を出すのはNGというのが不文律です。
5章の意図は「トップマネジメントは、組織の雰囲気作りに責任を持って下さい」ということだと考えています。
顧客重視、地球環境の保護、法規制の順守、責任と権限等のキーワードで、「日々の業務の目的が曖昧にならないように、迷走しないようにターゲットを示して、一人一人の意欲を引出して下さい」と言っていると解釈しています。「組織が正しく進むための雰囲気作り」です。
審査では、社員や部下を批判的に話す経営者や管理職がおられます。日々のご苦労、そして個々の成長を願ってのことと理解してお聞きしますが、時には「よりよい方向に向かうために、どのような雰囲気作りをされていますか」と水を向けています。
経営者に限らず管理職の方は是非、5章に書かれた要求事項を「自分の責任範囲で、正しい雰囲気作りが出来ているか」の視点で読んでみて下さい。新たな発見があるかも知れません。