
先日、こんな相談を受けました。ISO9001の内部監査で、チェックリストもだいたい同じで、実施がマンネリ化しているので、何かアイデアはないですか、という相談を受けました。
アイデアの一つとして、他の規格や品質のセクター規格を参考にし、それらを内部監査のチェックリストに加えてみることが考えられます。メーカーであれば、例えば、JISQ9100(航空、宇宙及び防衛分野の品質マネジメント規格)やIATF16949(自動車産業の品質マネジメント規格)が挙げられます。
具体的に見てみますと、JISQ9100(航空、宇宙及び防衛分野の品質マネジメント規格)7.3 認識では、以下のような要求事項となっています。
7.3 認識
組織は、組織の管理下で働く人々が、次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。
a) 品質方針
b) 関連する品質目標
c) パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む、品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献
d) 品質マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味
ここまでは、品質マネジメントの規格であるISO9001:2015と同じですが、以下からは、JISQ9100の独自の要求事項となっています。
e) 品質マネジメントシステムに関連する文書化した情報及びその変更
f) 製品又はサービスの適合に対する自らの貢献
g) 製品安全に対する自らの貢献
h) 倫理的行動の重要性
上記の要求事項を見てみると、h) 倫理的行動の重要性は、最近よくクローズアップされる「品質不正問題」とも関連して来ますので、この要求事項をチェック項目の一つとして入れてみることによって、最近の企業課題にも対応できるチェックリストとなります。
上記はあくまでの一例ですが、自社の状況に応じて、チェックリストを充実させていくとよいと思います。
ISO9001の要求事項だけでチェックリストを作成しなければならない、という要求事項はありませんから、やはり工夫していくことが必要です。