QC工程表は、ISO9001審査において「主役中の主役」でした。その良し悪しや原因は別にして、肌感覚として「審査における主役」ではなくなったと感じます。
審査を受ける皆様にとってもそうではないでしょうか。
しかし、数年前から続く品質不祥事と呼ばれる多くの事件をみると、QC工程表の存在意義や利用価値を強く感じます。
QC工程表を作る作業は、「本来はこうあるべき」を再確認することになります。そして、完成したQC工程表を製造部門のみならず営業部門や設計部門などの関係者が確認することで、より「正しい」姿となります。
多くの品質不祥事は、「知らなかった」や「うっかりしてた」ではなく、「本来はこうあるべきだが、止むを得ず」或いは「本来はこうあるべきだが、現状でも問題はない」などから始めったと思われます。それが繰り返し長く続くと、「これ(現状)が本来のやりかた」「このように教えてもらった」と常態化してしまうのでしょう。
審査でQC工程表のことを質問すると、「そういえば作ってたな・・・」「どこにあったかな・・・」「いまさらそんな基本的な確認をするのか・・・」と心の声が聞こえてきそうな状況がよくあります。
ですが、QC工程表と現状が異なっている状況もよくあります。ほとんどの場合は、異なっていても「問題ない」との結果になるのですが、それはコントロールされた状態とは言えません。
QC工程表を風化させない工夫として、新しい人材への教育に必ず使用する、或いは一年に一度は変更がなくても内容を再確認して発行日を更新する、などを行っている組織もあります。
是非とも、今一度QC工程表にスポットライトを当ててみて下さい。